美容医療で“失敗した”私の体験談｜焦って受けた施術で学んだ本当に大切なこと

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焦って受けた美容医療――「早く綺麗になりたい」気持ちが招いた落とし穴

30代半ばを過ぎたころ、鏡を見るたびに気になり始めたのが、ほうれい線とフェイスラインのたるみでした。仕事も忙しく、睡眠不足も続いていた時期。「疲れて見える」「老けた？」という何気ない一言がきっかけで、私は「即効性のある美容医療」に興味を持ちました。

SNSでは「たった一回で若見え！」という投稿や、「ダウンタイムなしでリフトアップ」という体験談が溢れており、私はすぐに予約サイトで人気のクリニックを検索。カウンセリングを受けると、医師から「糸リフト」をすすめられました。

正直、料金は思っていたよりも高かったのですが、「今より綺麗になれるなら」と思い切って施術を決意。しかし、その選択が私にとって“失敗の始まり”になるとは、この時はまだ気づいていませんでした。

施術当日、糸リフト自体は短時間で終わりました。鏡を見た瞬間は「少し引き上がったかも」と満足。しかしその夜から頬にズキズキとした痛みが出始め、翌朝には顔全体がパンパンに腫れ上がりました。

クリニックでは「数日は腫れることがあります」と説明を受けていましたが、思っていたよりも強い痛みと違和感。笑うと引きつるような感覚があり、顔を動かすのも怖くなってしまいました。

仕事復帰後、同僚から「顔が少し違う？」と聞かれ、焦りました。隠したいのに、マスク越しでも腫れが目立っていたのです。鏡を見るたび、「やらなければよかったかも」と後悔が募りました。

それでも「数週間で馴染む」と信じて過ごしましたが、1か月経っても口元のひきつり感が消えず、違和感が続きました。クリニックに相談しても「経過を見ましょう」との返答だけ。心身ともに疲れ果ててしまったのを今でも覚えています。

美容医療は、確かに短期間で変化を感じやすいものもあります。しかし、焦って選ぶと、自分の肌や生活リズムに合わない施術を受けてしまうリスクもあります。私の場合も、「すぐに若返りたい」という気持ちが先走ってしまいました。

人気のクリニック＝自分に合うとは限りません。カウンセリング時に、施術のリスクや自分の肌質との相性をきちんと説明してくれるかどうかが大切だと実感しました。特に、症例写真や施術後のフォロー体制についても確認することをおすすめします。

今では、スキンケアや生活習慣の改善を重視するようになりました。十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動――地味ですが、これらを続けることで肌の調子が安定してきました。

「時間をかけて綺麗になる」という意識に変わったことで、心にも余裕が生まれ、以前よりも自然な笑顔で過ごせるようになりました。

美容医療そのものを否定するつもりはありません。正しい知識と信頼できるクリニック選びをすれば、理想に近づくことも可能です。ただし、「すぐに綺麗になりたい」という焦りから選ぶと、私のように後悔することも。

美しさとは、外見だけでなく「自分をどう扱うか」によっても変わります。もし美容施術を検討しているなら、少し立ち止まって、自分の心と肌の声に耳を傾けてみてください。それが、後悔しない美容への第一歩だと思います。